1 名前:幽斎 ★[] 投稿日:2014/09/08(月) 11:56:11.00 ID:???
100円稼ぐのに、916円かかる鉄道会社は?
営業係数で見た「ワースト20鉄道」ランキング
http://toyokeizai.net/articles/-/47250

鉄道業界では、営業係数という数値をしばしば用いる。営業係数とは
「100円の営業収入を得るために、どれだけの費用をかけているか」を見る指標である。
最も営業係数が良い鉄道会社は、大阪港トランスポート
営業費を営業収益で除した後に100を乗じた数値を指し、100を下回れば営業利益、100を上回れば営業損失をそれぞれ計上していることを表す。
なお、国土交通省鉄道局が取りまとめている『平成23年度鉄道統計年報』(電気車研究会)には、
営業費に減価償却費を含めるか否かによって、2通りの営業係数が掲載されている。
一般的に言って償却後の数値のほうが判断に役立つと思われるので、本稿では減価償却費を含めた営業係数を用いることとしよう。
旅客輸送を行っている全国の鉄道会社の中で、2011(平成23)年度に営業係数が最もよかった鉄道会社は、大阪港トランスポートシステムの26.1である。
あまり聞き慣れない社名であるのも道理で、同社は線路や施設だけを保有し、
旅客輸送そのものは他社に委託しているのだ。同社が所有する線路や施設は、
大阪市交通局が地下鉄中央線や新交通システムの南港ポートタウン線のそれぞれ一部として営業を行っている。
線路や施設も保有し、なおかつ旅客営業も行っている鉄道会社では、
大阪モノレールとして事業を展開する大阪高速鉄道の68.5が最高だ。
ちなみに、JR各社の中ではJR東海の70.9が、大手私鉄の中では阪急電鉄の76.7がそれぞれ最も高い数値を上げている。

ワースト1位は、徳島-高知を結ぶ阿佐海岸鉄道
一方で、営業係数がよくない鉄道会社も多い。「線路や施設を保有し、旅客輸送を行っている」という条件で「ワースト20」を挙げてみよう。


ワースト1位となった阿佐海岸鉄道は、徳島県海陽町の海部駅と高知県東洋町の
甲浦(かんのうら)駅とを結ぶ長さ8.5キロメートルの阿佐東線で営業を行う。
残念ながら前年度の2010年度の営業係数も699.4と、全国の鉄道会社中、最も悪かった。
つまり、100円の営業収入を得るために699.4円の費用をかけているということになる。
営業係数がよくない状況が生じる理由は、各社さまざまだ。阿佐海岸鉄道の場合、
旅客運輸収入がわずか778万8000円しかなく、営業収益自体も963万2000円と少ないのは致命的である。
営業費が8823万9000円と多い点は気になるものの、これ以上切り詰めようもないのかもしれない。
とはいえ、「20社を並べて比較すれば、何か傾向がつかめるはず」と、筆者が着目したのは、
旅客運輸収入に占める定期乗車券の売り上げ比率である。大多数の鉄道会社で通勤、
通学と2種類が設定されている「定期乗車券」は、通常の乗車券と比べて割引率が高く、運輸収入を減らすひとつの要因として考えられるからだ。
例えば、JR東日本で東京の電車特定区間内を10キロメートル乗車すると、
普通乗車券の運賃は165円(SUICA利用)である。一方、同じ区間で1カ月の
通勤定期乗車券を購入すると5170円で、SUICAを利用して1カ月に20日間、往復乗車した場合の6600円と比べると、21.7%引きだ。
「通学定期乗車券」の割引率は、さらに高い。上記の区間での定期乗車券の運賃は大学生用で
4320円、高校生用で3880円、中学生用で3020円、割引率は順に34.5%、41.2%、54.2%である。
有効期間が3カ月、6カ月と長くなれば割引率はさらに増えていく。